こうりん保育園社会福祉法人_光琳会_認可保育園

保育と子育て支援で地域福祉を支えて50年!
子どもを真ん中に「楽しい」を大切にする保育園

町田市に昭和48年に開園した「こうりん保育園」は50周年を迎え、1,100名を超える卒園児を送り出してきました。今回は、地域の子育て支援と、多くの子どもの育ちを見守り続けてきた園長・村上元章先生にお話を伺いました。

こうりん保育園

こうりん保育園の歴史について

地域の切実な願いに応えて開園。市の保育を牽引し続けてきた実績。

美しい藤棚の下では、1歳児がおしゃべりしながら楽しそうに砂遊び
美しい藤棚の下では、1歳児がおしゃべりしながら楽しそうに砂遊び

この地域(町田氏金森)には、現在でも団地がたくさんあるのですが、昭和40年代、団塊の世代の子どもたち、つまり第2次ベビーブームですね、団地の未就学の子ども達を受け入れる場所がなかったんです。「団地の中に保育所が欲しい」という地域のお母さん、お父さんたちの強い請願があり、初代理事長がその声に応え、社会福祉法人を設立し、当保育園が開園しました。ちょうど今年度50回目の卒園生を送り出すのですが、開園以来1,100名近くのお子さんを輩出しています。古い園の特徴で、親子2代にわたって、保育園を利用されている方もいるんですよ。法人としては、市内でもう一つ、「玉川さくら保育園」も運営しています。

町田市内の認可保育園は、現在70ヶ所以上あるのですが、当園は市内で13番目に開園した保育園です。私たちが保育園を作った後に、雨後の筍のごとく、保育園が出来ていったんです。それが町田の保育園の歴史を象徴していると思います。

昭和40年代後半以降、認可保育園が増えていきましたが、今よりも規制が厳しかった時代でしたので、新しい保育園が少しずつ増えていたような形でした。当時は保育園を作ることができるのは、基本的に社会福祉法人だけでした。あとは、少しだけ個人立の園があるかないか、というくらいだったと思います。現在のように、どんどん出来るという状況ではありませんでした。株式会社などのさまざまな形態の法人が参入してきたのは、2000年以降だと記憶しています。

昭和48年の開園当初は理事長兼園長が自ら、おんぶ紐で子どもを背中に背負いながら保育をしていたそうです。45周年の時には、それまでの保育園の歴史を振り返る、思い出の文集も作ったんですよ。園舎のあちこちに、数えきれないほどの卒業制作があります。飾る場所がなくなっちゃうぐらいたくさんあるんですよ。それだけ多くの子どもたちがここで育ち、そして巣立っていったということですね。子どもたちの成長を見守ってきた園舎全体に、当園の保育の歴史が刻まれています。

こちらの建物は、2階3階は都営住宅で、1階部分が保育園の区分所有になっていますので、都営住宅の耐震化計画に基づいて、耐震補強をしています。やはり50年も経っていますので、できれば建て替えたいという思いはあります。ただそれに関しては東京都の都営住宅の建て替えの方針などもありますから、その時期に合わせて今後話を進められたらと思っています。

こうりん保育園の保育について

子どもも大人もゆったり過ごせる、広くあたたかい保育環境

0歳児クラスは定員9名。一人ひとりをゆったり丁寧に保育
0歳児クラスは定員9名。一人ひとりをゆったり丁寧に保育

園庭が広いのは、特徴の一つですね!保育室から、テラスを通ってすぐに出られるようになっています。テラス自体もとても広いので、ここで活動しているクラスもあります。砂場やプール、菜園、遊具も充実していますので、見学に来てくださった方がみんな「広いですね!」と言って驚いています。子どもも大人もゆったり過ごすことができるのがいいですね。

例えば幼児クラスは、3歳から上履きを履いての生活になります。乳児と幼児はだいぶ生活様式も変わってきますので、保育の環境も年齢や発達に合わせて、担任が工夫して設定しています。0歳児は、産休明けからお預かりしています。保育室は開放的で明るく、人数に対して十分な広さがありますから、食べたり寝たり遊んだりする自然の生活の流れが大人の都合で遮られることのないようになっています。お風呂場だったところも1歳児がトイレトレーニングをゆったりと進めることができるように、1歳児専用のトイレにしたんです。

3歳になると言葉も増えて、基本的な生活習慣も身に付き、自分のことは自分でできるようになってきます。それに伴って「やってみたいこと」が増えていきますよね。子どもたちの願いできるだけ叶えてあげたいと思っています。異年齢保育も大切にしています。子どもって育ち合うんですよね。給食は直営で、献立も栄養士が作っているんですよ。おいしくて栄養満点と評判です。

5歳児は伝統的に「竹馬」にチャレンジするんですよ。これが私たちの特色の一つなんですが、年長になって竹馬をすることが、小さい子たちのあこがれでもあるんですよ。竹馬は職員がメンテナンスをして、大切に使っています。得意な子も苦手な子も、自分にぴったりの竹馬を自分で選んで、自分のペースで一生懸命練習しています。運動会でお披露目をするんですが、子どもたち一人一人の輝く笑顔と達成感は本当に感動します。

去年からは、幼児クラスだけ、クラスごとに入れ替え制で、できるだけ短い時間で行うなど工夫しながら行事を行っています。コロナ禍以前のように、全園児を集めて合同で、という行事は現在中止しています。運動会が全体でできなくなってしまったのが本当に残念ですが、またできるようになったらいいなと思っています。

保育で大切にしていることは、とにかく、子どもたちがいろいろな楽しい体験ができること、一人一人の心や目の輝きを大切にしていくこと、それが私たち保育者の役割だと思います。

こうりん保育園のカリキュラムについて

子どもの「楽しい」を中心に据えた、充実のカリキュラム

子どものやりたい気持ちを大切にしている
子どものやりたい気持ちを大切にしている

5歳児クラスでは、「就学前プログラム」にも取り組んでいます。外部の講師に来ていただき、月1回やっています。文字だけでなく、数や図形など全般的に、小学校に上がる前段階の準備を行っています。

大切なのは、文字が書けるようになるとか、数字が計算できるようになるとか、そういうことではありません。それよりも正しい姿勢で座っていられるか、集中して人の話を聞いていられるかなどの、土台を築くようなカリキュラムです。小1プロブレムや小学校への接続の問題などが言われて久しいですが、何よりも子どもたちが、小学校へ行っていきなり戸惑うことのないようにして送り出してあげたいと思っています。

他にも5歳児クラスでは書道も行っています。当園のOGの先生が来てくれていて「文字を綺麗に書きましょう」というよりも、書の楽しみを知ってもらうことに主眼を置くようなカリキュラムにしています。また、4歳と5歳児クラスで体操のプログラムも取り入れています。「楽しみながら運動しましょう」ということをねらいとしています。いずれにしても「とにかく楽しい!」ということ。それを大切にしています。

発達障害についても、みんなで育ち合う、その視点で昔から保育しています。職員はもちろん、子どもも保護者も、みんなが個性を受け止めるということですね。その年によって、クラスの様子も違いますしね。

近隣の小学生との交流もしています。2月頃に年長の子どもたちが近くの小学校を見学して小学生と交流していますが、ここ2年ほどはコロナの影響もあり残念ながら中止になっています。また老人ホームとの交流も定期的に行っていますが。事実上、こちらも中止になってしまっています。こういった交流もできていない状況ですが、保育所の中だけでもいろいろと工夫しながら、子どもの「楽しい」を中心に据えた、充実のカリキュラム行っています。

園長が大切にしていること

「福祉の心」を持つ保育者として成長できる環境

保護者支援、子育て支援にも力を注ぐ、村上園長先生
保護者支援、子育て支援にも力を注ぐ、村上園長先生

保育園ですから、もちろん、子どもの権利擁護が何より最優先です。しかしそこに主眼が行き過ぎてはいないだろうかと思うんです。子どものバックグラウンドには、親がいて、家族がある。そのバランスをとっていくことが、子どもの本当の幸せを願うことにつながっていくと思います。いろいろな事情があるご家庭もあります。子どもの状況もさることながら、家庭の状況も見ていかないと、本質的な保育・子育て支援にはならないと思うんですね。そのためにも、役所との連携が大事になってきます。例えば退園することになった方にも、次に引越しをした先でもちゃんと保育園に行けるように手続きをすることもあります。そんなふうに、退園したら終わりではなく、次につなげていくことを大切にしています。

現場の保育士はその日その日の子どもと親が幸せであるように頑張っていますから、私は裏方として、子どもや保護者がスムーズに園生活を送ることができるようにする。それが園長としての私の仕事なのかなと思っています。現代社会は、心の病気の方も増えていると感じます。職員が保育に専念できるよう、そういった難しい対応は私が引き受けています。

職員を採用するときに、私が大切にしているのは、「福祉の心」を持って保育に臨むことができるかどうか、ですね。子どもがかわいい、とかそういうことももちろん大事なのですが、子どもだけではなく、子どもの保護者のバッググラウンドとか、そういうものを総合的に見られる方にぜひ来てほしいなと考えています。

若い人にこれを求めるのはなかなか難しいとは思います。ただやっぱりそれも日々勉強だと思ってますし、そういうことを考えられるように、保育園で成長してほしいと思っています。そういう意味ではずっと、現場は学びの場です。私自身もそうですね。職員ができるだけ外部の研修に参加できるようにしています。

職員会議は月に1回行っています。そのほかにもミーティングなど適宜コミュニケーションを積極的に取るようにしています。残業の削減にも力を入れています。まだ完璧ではないと思いますが、登校園管理から保育帳票類まで、すべてキッズリーというシステムを活用しており、ペーパーレス化に取り組んでいます。職員は、みんな効率よく午睡中に連絡帳を書いたり、帳票を書いたりしています。

第三者評価の結果で、保護者の方に、「よくも悪くも昔ながらの園」って書かれたんですよ(笑)でもね、私はそこが魅力の一つかなと思うんです。もちろん改善したほうがいいところは改善していきますが、子どもを中心に、保護者支援にも力を入れていくこと、そうした普遍的なことを大切にしながら、やっていきたいと思っています。

求職者へのメッセージ、求める人物像

歴史のある安定的な環境で、純粋に保育を楽しみ、学び、成長したい方との出会いを楽しみにしています

若手からベテランまでが活躍。チームで子どもを育む
若手からベテランまでが活躍。チームで子どもを育む

当園の特徴として一つあげられるのは、長く務めてくれている職員が多いこと。産休や育休もみんなしっかりとって、復帰してくれている人がたくさんいます。職員みんなが働きやすい環境整備につとめています。長く務めている職員が多いということもあるからでしょうか、保育に安定感があるように思います。それも当園の強みの一つですね。

そして若い職員も頑張っています。これからもっと中間層の先生たちを育てていきたいですね。各世代まんべんなく活躍できるような形を目指して採用しています。保育士をめざしてがんばっている学生さんにも、ぜひうちの保育園を選んでもらいたいです。歴史のある安定的な環境で、純粋に保育を楽しみ、学び、成長したい方との出会いを楽しみにしています。

取材を終えて・・・

あたたかくやさしい時間が流れる園。
歴史と実績がある安心感。

50年もの長きにわたって、子どもたちを見守り育んできた、こうりん保育園。
若い先生からベテランまで、皆さんが力を合わせて、丁寧に一人一人の保育に向き合っている光景が、広い園庭や保育室のあちこちで見られ、その歴史もさることながら、どこか懐かしくやさしい雰囲気に心がとても癒されました。

この保育園の施設概要

施設名 こうりん保育園
勤務地 東京都町田市金森7丁目6番1号
最寄り駅 小田急線町田駅前「町田バスターミナル」より神奈中バス「つくし野駅」行き 他「金森郵便局前」下車徒歩10分

写真でわかる!保育園の様子

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