大丸ゆうし保育園社会福祉法人東保育会_稲城市認可保育所
インタビューの最後に求人情報あり!
見守る保育と環境教育で生きる力と心を育てる
稲城市内に、4つの認可保育園と学童クラブ、児童館を運営する、社会福祉法人東保育会。子育て家庭拠点として、創立以来約50年もの長きにわたり、地域に根差し愛され続けています。保育理念は「子どもに生きる力と心を」「家庭と育ち合う喜びを」「地域に信頼と愛を」。
異年齢児保育と、環境を通して一人ひとりの子どもを見守る保育を実践してきました。理事長そして大丸ゆうし保育園園長でもある富岡孝幸先生にお話しを伺いました。
大丸ゆうし保育園の歴史
地域に愛されて50年。
子どもの未来と地域の自然を守る取組み
私たちが実践してきた保育の特徴は、異年齢児保育、そして環境による見守る保育です。
大丸ゆうし保育園、松葉保育園、中島ゆうし保育園、本郷ゆうし保育園の4園があり、いずれも駅の近くという恵まれた立地になっています。保護者の方も預けやすく、職員も通勤がしやすいので、毎年たくさんの子どもたちが入園してくれています。併せて児童館・学童クラブも運営しています。
稲城市内に駅が5つあって、そのうち4つの駅のすぐ近くに、うちの法人の園があるんです。預ける人も便利ですし、通勤にも便利だと思います。稲城市は、子育てしやすい街として取り上げられることもあり、人気があるようです。待機児童は昨年解消されたのですが、まだ1歳児は厳しいようですね。
私自身は今から30年ほど前から理事長兼園長をしています。ずっと用務員さんみたいな感じだと自分では思っていますよ。最初に松葉保育園を開園したのが昭和51年。いまから約50年前のことになります。
1976(昭和51)年に、松葉保育園
1997(平成9)年に、稲城市立第六保育園運営委託(公設民営)で大丸ゆうし保育園
2011(平成23)年に、中島ゆうし保育園
2015(平成27)年に、本郷ゆうし保育園
をそれぞれ開園しました。
そして、2020年5月、稲城市内の山林の一部を法人で所有し「ゆうしの里山」と名付け、自然教育の拠点として、地域の方々やNPO法人の皆さんの協力も得ながら維持・管理しています。稲城市内の里山は、人の手をかけないと管理が難しく、地主さんの高齢化や所有者による放置などの理由で荒廃が進んでいる状況でした。かつてのような美しく豊かな生態系を持つ肥沃な里山を守り育てることこそ、子どもたちそして地域の未来をつくることではないか、そんな想いで、里山を買い取り整備・管理活動を行うことにしたのです。
私たちにとって、「ゆうしの里山」はまさに遊びと生活のフィールドです。農作業体験や山遊びを思う存分楽しんでいます。職員みんなで管理作業や農作業も行っており、SDG’sの取組みのひとつとしても力を入れているところです。園名でもある「ゆうし」の名前は、漢字では「遊ぶ子」と書きます。子どもも大人も、里山と一緒に育っていく、そんな活動を続けています。地域の人たちと一緒に子どもたちを見守り、地域の自然を守る。地域に根付いた保育園です。
大丸ゆうし保育園の保育について
子どもが主体の見守る保育を、法人全体で実践。
1園、2園、と運営する園が増えていく中で、法人としての保育理念や方針を整備していきました。そこで、うちの理念である「子ども主体の保育」という軸をつくりました。子ども主体の保育っていうのは簡単ですが、とても難しいことですよね。
既に実践しているいろいろな園に勉強しに行きました。いろいろな工夫や試行錯誤を積み重ねながら、法人として「子ども主体の保育」の実践に力を入れています。
私たちの保育園では、子どもたちが自分の体や心を使って自分で考え、自分でやりたい気持ちをのびのびと表現できること、大人が余計な手出しをしないで見守ることを大切にしています。
各保育室は、各年齢で必要とする基準を超える面積となっており、玄関ホールも解放感のある空間にしています。幼児クラスも3~5歳までが異年齢で生活しており、思い思いに自分が好きな遊びを遊びこめる環境を保障しています。
例えば朝の会や主活動に移る時間帯も、保育士は「もう時間だから片付けて」というのではなく、子ども一人ひとりのペースでブロック遊びや机上遊びを納得いくまで楽しんでから参加できるようにまずは見守ります。そうすることで大人に急かされたり先回りされたりするよりも、「次は何をやる時間なのかな」と見通しをもって自然に自ら活動に取り組むようになります。
もちろん、安全面には十分に配慮しています。子ども主体の保育を実践すると一言でいってもなかなか難しい時もあります。しかし保育士の経験や環境構成の工夫で、実現することができるんですね。私たちも日々試行錯誤しながら取り組んでいるところです。
園長が大切にしていること
法人内での部会や研修も充実。
入職時の研修は、最初に半日ぐらい行っています。また、法人の考え方をまとめた冊子「ステイトメントbook」を作り、全職員に配布しています。法人の理念や方針、保育現場でのルールや子どもの人権に関すること、安全・衛生面など基本的な考え方が、これを読めばわかるようになっています。
新たに配属された職員に口伝えでOJTするだけでは、なかなか共通理解が進まないということがありますよね。例えば、いろいろなマニュアルの改訂時や人権の日などに、もう一度確認のために読み合わせをする、といった形で活用しています。
法人内にはいろいろな部会もあります。例えば、0歳児部会など歳児別に、他の園のクラス担任が意見交換ができる保育のグループ、自然環境、栄養保健、BCPなどいくつかグループがあります。いろいろなテーマでプロジェクト化されているので、法人内の職員の交流は活発だと思います。危機管理もそうですが、意識を高めることが大切だと思っています。
コロナ禍で、行事の見直しもしました。大人にとっても子どもにとっても、行事の準備に追われて、とか、行事があるからあれを作らなきゃと、無理してやるのは本末転倒だと思うんですよ。ですから行事もできるだけ多くなりすぎないようにしています。
もちろん、子どもの心身の成長を保護者とともに喜ぶことができるという意味では、運動会という行事は大切ですよね。でも、運動会をやるから、じゃあ、何をやろうか、ということではなくて、日ごろの保育の中で、体を動かしてできることが増えて、こんなに成長したんだよ!ということを保護者にも見せてあげたい。子どもの日々の生活の中で、培ってきたものを披露して、成長を喜び合う大切な行事の一つです。運動会は例年大きい体育館を借りて行っていますが、コロナ禍でもありますので、現在はクラスごとに入れ替え制で行って、動画配信もしており、皆さんに喜んでいただいています。職員の中には動画編集が得意な人もいるので助かっています。
子どもが、これをやりたいっていったら、その遊びの中から、行事まではいかないけれども、活動が生まれたりすることもある。新しく活動をするときに、保育士に大切にしてもらいたいのは「子どもと大人、どちらが主体なの?」という視点ですね。子どもたちが主体的に興味をもって楽しめることなのかどうか、そこが大切です。保育士側から子どもたちへのプレゼンも大事ですよね。子どもが興味をもってくれるような提示ができるかどうかが腕の見せどころだと思います。
子どもたちが何かに興味を持ち始めたなら、じゃあ、どこかに行ってみようとか、これをやってみようか……と提案して、子どもと一緒に考えて広げていく。保育士の役割って、その「きっかけ」を提供することだと思います。
小学校への接続の取組として就学前プログラムも取り入れています。コロナ禍で難しくはなっていますが、小学校との交流も行っています。
発達障害については、昔は名前がついていなかっただけで、今はやたらと名前をつけるようなところがありますよね。名前がついたから、増えたような感覚もありますが、個性だと思います。大人だっていろいろな個性がある。いわゆるグレーな子どもも含めて、みんな一緒に、保育の中で受け入れる、そんな視点を大切にしています。
保育園4園と、児童館、学童クラブも運営していますから、「保育園時代、一緒に保育園で遊んだね」という思い出があったり、小学校が一緒になって、さらには学童クラブや児童館で再会したり。そう意味では子どもたちも、地域に顔見知りが多いと思います。
求職者へのメッセージ、求める人物像
コミュニケーションと人間力が大事。
保育のスキルは現場で磨けばいい。
保育園4園と学童・児童館、それぞれの施設長をはじめ職員がしっかりしてくれているので、現場は安心して任せています。私自身は他の業務や会議などもあるので、ずっと現場に張り付いているわけではないのですが、みんな自主的に仕事をこなしてくれています。理事長兼園長ですが、それだけ、職員のことを信頼しているんですね。
職員同士のミーティングは、月1回の職員会議、その他にも、都度できるだけやるようにしています。あとは、アプリ(キッズノート)を活用していますね。
求める人材像で一番重視しているのは、コミュニケーション能力があることです。当たり前のことだと思いますが、「人間力」が一番大事だと思います。そして素直で、やる気があること。素直でやる気があれば、人は成長することができます。協調性も大切ですね。
職員の中には、50歳を過ぎてから保育士の学校に入って、資格を取って入職した人もいる。いろいろな経験を積んでから保育の世界に入るのは、若い人やベテランの人の中でやっていくことになるわけで、大変なことだと思います。でも、保育のスキルは、現場に入ってから磨いていけばいいんですよ。
休日は117日ありますし、有休や夏休みも取りやすいと思います。また残業はできるだけしないように、各職員が事務の時間を取ることができるよう最大限に配慮しています。USBなどは持ち込み禁止にしていますから、保育の帳票類を家で書いたりすることがそもそもできないようになっています。保育園の中でやるしかないので、必然的に持ち帰りもありません。
私自身は、アウトドアが趣味なんですよ。休みの日には魚釣りやキャンプに出かけています。自然の中で過ごす時間が多いですね。先日は北アルプスの黒部の方に出かけました。休むときは休んでしっかり楽しむ。働く人たちにもプライベートを充実してもらえたらといつも思っています。まずは自分が楽しむこと、それが良い保育にもつながっていくのかな、と思います。
取材を終えて・・・
豊かな自然環境の中で、大人も元気になれる取組みがいっぱい
園を訪れて一番印象に残ったのは、富岡理事長先生はじめ、職員のみなさんの、子ども達を見守るまなざしのあたたかさ。異年齢で過ごしている幼児一人ひとりが、自分の遊びに納得いくまで遊びこんでいる姿があちこちで見られ、先生は、声がけはしていますが、決して急かさない。その姿勢に、法人の理念である「子ども主体の保育・見守る保育」がしっかりと根付いているのを心から実感しました。法人内の交流が盛んなのも魅力の一つ。法人所有の「ゆうしの里山」では、職員総出で農作業や森林の管理をやっているそう!自然に触れながらのびのびと保育ができる、そんなステキな法人さんです。
この保育園の施設概要
施設名 | 大丸ゆうし保育園 |
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勤務地 | 東京都稲城市大丸82-4 |
最寄り駅 | JR南武線 稲城長沼駅 徒歩約5分 |