YMCAいずみ保育園認定こども園_横浜YMCA

地域とともに、地域に寄り添いながら。
子育て支援の最前線で“多文化共生”を実践。

横浜市郊外の、緑豊かな住宅地に位置するYMCAいずみ保育園。保育園のある地域は、2つの大規模団地に挟まれ、多くの外国にルーツのある子どもたちを受け入れてきた歴史をもつ、市内でも特徴ある地域でもあります。開園時から主任を務める島田先生と、長年YMCAでスポーツ事業や青少年教育にも携わり、多彩な保育現場の最前線で経験を積まれてきた井上園長先生に、保育に対する想いそして園や地域の特色についてじっくりお話しを伺いました。

YMCAいずみ保育園

YMCAいずみ保育園の園舎について

開放感のある園舎と広い園庭。
子どもらしく伸び伸び過ごせる環境。

園舎前のスペースも広々空間。2021年には幼保連携型認定こども園に移行
園舎前のスペースも広々空間。2021年には幼保連携型認定こども園に移行

園長:こちらの園は郊外型で、上飯田団地といちょう団地という、大きな団地に囲まれています。地域とともに歩んできた歴史があるんですね。それについては後ほど説明させていただくのですが、YMCAが運営を引き継いだのが今から約18年前、そして幼保連携型認定こども園として、2021年に生まれ変わりました。園舎は天井も部屋も十分な広さがあります。クラス別の保育室はありますが、現在モデル的に、異年齢保育やグループ保育に取り組んでいるので、活動や準備の部屋を分けたりと工夫しています。ロッカーなどの家具は可動式になっており、また各部屋の仕切りはパーテーションになっていて壁の奥にしまうことができますので、人数や活動に合わせ、廊下も含めて一体の大きな空間にすることができるんです。卒園式やクリスマス会などのときには、とても重宝しています。コーナー保育も年齢発達に合わせて工夫しています。

主任:この広い廊下にある給食室は、オープンキッチンになっていて、乳児でもつかまり立ちする頃にはちょうど見える高さになっています。コロナ以前は、配膳当番の年長さんと職員が、盛り付けやフルーツなどの簡単な配膳をやったりしていました。給食を作っている姿も見られるし、調理師や栄養士からも、子どもたちが食べている姿を見て声をかけることもできる環境になっています。

園長:この広いスペースは廊下でもあるし、遊ぶ所でもあるし、給食を食べるランチルームでもあるんです。子どもたちの発想の中で、子ども達が自由に、好きなところで、自分の思いを満たすことができるようにという願いが込められているんですね。
子どもの人数も多いのですが、雨の日などみんなが室内にいても、園舎が広いので、体を動かして遊ぶことができるので、環境には恵まれていると思います。2階には保育室のほか、地域交流室もあります。とにかく広いので生活したり遊んだりするスペースを、その時々の子どもたちの発達に合わせてコーナー保育の環境を変えてみたりと工夫して使用しています。

お店屋さんのようなオーニングが特徴的な給食室はオープンキッチンは子どもたちが大好きな場所
お店屋さんのようなオーニングが特徴的な給食室はオープンキッチンは子どもたちが大好きな場所

主任:0歳児と1歳児は部屋を明確には分けていないんです。みんなが好きなところで遊ぶという感じです。月齢が低いお子さんがいるときは、走り回る子と一緒にならないように分けますが、0歳児でも月齢が上がってくると、自然に1歳児の遊びに入りたがるんですよね。そういった時は、行きたい子は合流したり、グループに分かれて遊んだり、子どもの興味や発達に合わせて工夫しています。

園長:園舎全体が、異年齢交流ができるような作りになっています。0歳児室は一部畳の場所もあって、いつでもゴロンとできるようにしています。窓も広くて外の景色がよく見えるんです。
その昔はグループ保育よりもまだ、クラス別の保育が常識だったと思いますが、いまは、異年齢での保育を積極的に取り入れています。例えば2歳児が、夏ぐらいから6人ぐらい、3歳児以上の方に行って生活しています。遊びもご飯も、特にメンバーを固定しているわけではなく、今日は大きい子たちのお部屋に行きたいなと言う子、「今日はこっちがいい」など日によって気持ちも馴染める子も変わったりしますので、臨機応変に、お兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に生活している子もいます。刺激を受けて自立していく姿が見られますね。

主任:今日はお散歩に行きたくないっていう子には、「じゃあお部屋に残る1歳児クラスに混ざる?」と聞き、子ども自身がOKといえば残ります。「1歳児とじゃ嫌だ、じゃあやっぱりお散歩行く」と言うかもしれないし、「残りたいけどお散歩じゃなくて園庭がいい」と言えば、園庭に残るクラスと一緒に遊びます。子ども主体の保育を心掛けています。

YMCAいずみ保育園の園庭について

晴れた日には富士山も見える園庭には大きな土手が。屋上の園庭も!

遠くの山々を望める表情豊かな園庭は、小さい子どもたちも安心して遊べる工夫がいっぱい
遠くの山々を望める表情豊かな園庭は、小さい子どもたちも安心して遊べる工夫がいっぱい

園長:園庭と2階のテラスからは、天気がいいと富士山も見えるんですよ。

主任:夕焼けも本当に綺麗なときがあるんです。とても開放的な景色です。

園長:土手の斜面の下は砂場になっていて、もともとは土の土手みたいになっていたのですが、子どもがよじ登ったり滑ったりしているうちに、土がどんどん砂場に落ちてしまって(笑)斜面がえぐれてきちゃって、何回か手直ししても追いつかなくて。そこで10年ぐらい前に、木製にしたんですよ。このままだとあまり滑らないので、段ボールを敷いて滑ったりしています。避難経路にもなっているんですけど、園舎をぐるっと一周回ることができるようになっています。2階のテラスからも、降りてこられますので避難時にも安心です。外遊びは、もちろんお散歩にも行っていますが、園庭だけでも結構のびのび遊べていると思います。

主任:こちらの地域は、公園も多くて遊ぶところはたくさんあるんですよ。異年齢で出かけたり、グループごとに行きたい所を選んで行ったりしていますね。 

園長:2階のテラスも、裸足で出られるんですよ。最近夏は暑すぎて日除けをしても入れないことが多いですが、水遊びをするには十分な広さもあります。

主任:今日は5歳児は習字の時間。月1回地域のボランティアの方が教えに来てくれています。4歳児はクリスマス会の練習で楽器遊び。クラスごとの活動になっていますが、3,4,5歳児が異年齢で、グループ保育をしていることが多いですね。

YMCAの保育園について

外国にルーツを持つ方が多い地域
多文化共生の中で歩んできた歴史

保育の中に溶け込む、多文化共生の理念。さまざまなルーツを持つ子どもや大人の多様性を受容しともに生活する
保育の中に溶け込む、多文化共生の理念。さまざまなルーツを持つ子どもや大人の多様性を受容しともに生活する

園長:YMCAは、イギリス発生のキリスト教の考え方を基盤にしている団体です。『イエス・キリストの愛と奉仕の精神に基づき一人ひとりのいのちが輝く平和な社会の実現を目指します』というのが、全国のYMCAの保育園の共通の理念です。キリスト教の考え方、聖書の中の「子どもたちを大切にする」という考え方が保育の軸になっています。クリスマスも特別な礼拝があり、年長を中心にページェントという降誕劇に取り組んでいます。日々の保育の中でも自然に神様の言葉に触れるタイミングがあります。

園長:当園は前身が横浜市立上飯田保育園で、公立保育園からの民間移管ではあったのですが、外国にルーツのある方がもともと多い地域なんです。というのも、日本がインドシナ難民の受け入れをしていたときに、日本で生きていくために必要なプログラムを行っていた定住促進センターが大和市にあり、そちらのプログラムが終わった人達の多くが最初に住居を構える場所が県営いちょう団地でした。家族も呼んで一緒に住む人が多くなりました。
今では合併してしまったのですが、ピーク時にはいちょう小学校の全児童のうちの75%以上が、外国にルーツがある人が在籍していたそうです。その頃の小学校のクラスだよりも8か国語で作っていたと聞いてます。
現在では、団地自体の人口が減ってきたこともあって、子どもの数も減ってきているので、ずいぶん構成は変わってきてはいるのですが、それでもまだまだ日本人って言われる人達と、外国にルーツがある人達とが一緒に暮らしている地域なんですよ。
上飯田保育園が民間移管するときに、そういった特別なコミュニティーだからこそ、YMCAにお願いしたいという行政からの希望と、YMCA側としても、これはYMCAの使命だということで、使命と願いが具現化出来る、実現できる場所だということで、お受けして引き継いだというのがこの園の成り立ちなんです。

主任:保育園の園児でいうと、外国にルーツのある子どもは、今は少なくなってきています。全体の1割ぐらいですね。

園長:運営を受託した17、18年前は120人定員のうち、40名以上は外国にルーツがある子どもでしたが、そこからだんだん減ってきてはいます。また、社会的支援の必要な家庭や、配慮の必要な子どもを受け入れています。もちろん受け入れるという前提で、職員の体制を組んでいます。そして2021年に幼保連携型認定こども園に転換したのも、YMCAは、さまざまな理由でどこの園にもいくことができなくなっている子どもたちを受け入れる場所になるべきだ、という願いと想いからだったんです。YMCAの理念でもある、多文化共生。当園でも、それを何よりも大切にしています。

主任:職員も、ベトナム人にルーツを持つ人が2人、ペルーにルーツを持つ人が3人、中国にルーツを持つ人が1人います。去年まではブラジルにルーツを持つ人もいたんですよ。多文化共生の地域ならではの職員配置になっています。この職員は日本で生まれ育った人もいますし、中学を卒業してから来日して大変な努力の末、日本の大学で保育士の資格を取ったという人もいます。

園長:もともと持っているアイデンティティや育ちの中で、たとえ帰化をしていても、自分のルーツの国での生き方や考え方、文化がご自身の中に根付いているのはいいですよね。それをすごく大切にしてほしいと思います。そうした考え方や文化の違いが、職員同士の話し合いのときに垣間見えたりして、それが多文化交流の場になっているという感じはします。

YMCAいずみ保育園の保育について

いつでも子どもを真ん中に
成長発達に合わせたモデル学習の異年齢保育

地域のボランティアさんによる習字の時間。スポーツや教育文化事業などYMCAならでは、多彩な事業との連携も心強い
地域のボランティアさんによる習字の時間。スポーツや教育文化事業などYMCAならでは、多彩な事業との連携も心強い

園長:横浜YMCAでは、保育園を14園運営しています。人が生きていくための成長段階として、それぞれの発達時点で関わりに応じていくという考え方が根付いています。というのもYMCAでは、水泳や体操、サッカーや野外教育を行う事業もあり、保育事業より古い事業なんですね。ベビースイミングから行っており、発達段階に応じた関わり方や成長の促し方、指導法など、長きにわたり研究し実践している団体です。
保育事業の面では、YMCAも当初は他の保育園と同じようにクラス型保育でやっていたんですが、モデル学習と異年齢の関わり、緩やかな進級という保育に、いくつかの園がモデル的に取り組んでいきました。

私がここに来る前に園長になった金沢八景の保育園は、比較的新しい園でしたので、そこは最初から発達別保育、興味別保育を取り入れていました。そこでいくつかの経験をもとに、こちらの園でもモデル学習としての異年齢の関わり、いわゆる異年齢保育、グループ保育を進めています。まだまだ進化の途中ではありますが、臨機応変に進めています。
私たちがやってきたことが、言葉として明文化するとこうなるのか、と感じたのが、数年前から保育業界でいわれている「非認知能力」ですね。YMCAでは最初からそれに取り組んでいたんだな、ということは感じましたね。
運動会も、保育と別の運動会という感じではないんですよ、普段やっている保育の中での延長線上にあります。いつもやっている運動の部分を、フォーカスして楽しむ日みたいな感じなんですよ。5歳児、4歳児は保育の中でプール遊びがあります。温水プールで4月~3月まで、横浜YMCAが運営している山手台YMCAというプールがある施設がバスで20分ほどのところにありますので、そこにみんなで行っています。

裸足で過ごせる屋上園庭。夏にはプール遊びも楽しめる
裸足で過ごせる屋上園庭。夏にはプール遊びも楽しめる

園長:体操遊びは、YMCAの指導者が来て、2階で定期的に実施しています。サッカー遊びは、園のすぐ近くにカモメパークという県の施設があるのですが、そこでYMCAの、将来指導者を目指している人達が、教えてくれるんですよ。保育の中に、YMCAがやっている他の事業の専門性を入れることができるのが強みですね。療育面もYMCAの児童発達支援事業の指導者が、園を巡回してくれて「この子にはこういう支援をしたらいいよね」と継続的にアドバイスをしてくれています。保育士も一緒に確認しながら発達支援をやっていくことができるので安心です。

主任:職員によって音楽や制作が得意な人は、常勤の正職員だけではなく、活動のリードも任せたりしています。得手不得手がありますから、その人が得意な所を活かせるように、「ピアノができない代わりに自分はこっちをやるよ」といった感じでお互いに補い合いながらやっています。
また、幼児クラスは異年齢で動くことが多いので、職員同士の連携が非常に大事です。自分のクラスだけ見ていればいいというわけではなく、子どもの事をみんなが分かっていて、その日の様子で柔軟に動けるようにするためにも、日々の共通理解が大切です。そのため、ミーティングなども、非常勤の方もなるべく入って話すようにしています。幼児クラスだけで次の週の事を話すとか、今日あった事の振り返りが必要なことはその日にミーティングしたりして、こまめなミーティングを心がけています。

保育・教育現場での経験豊かな井上園長先生。保育所の在り方や子育て支援に注力している
保育・教育現場での経験豊かな井上園長先生。保育所の在り方や子育て支援に注力している

園長:保育の活動って、子どもたちにとっては自主性が育っていく場面、そして職員にとっては、自己実現ができていく場面でもあるというのが、YMCAの考え方でもあります。とはいえ、配慮の必要な子たちも受け入れていてる中で、なかなか難しいこともあるのですが。

主任:行事や保育の準備等のために、多少の残業があることも正直ありますが、みんなで協力し合い、できるだけ時間内に終わらせるようにしています。

園長:職員数も多いので、何人かでチームを組んで、協力し合いながら進めることができるので、一人がたくさんの仕事を抱えるという形にはなりません。行事の担当をするのであれば、経験者と未経験者がペアになってやっていきますから、スムーズに進めることができます。でも作り物とか一生懸命やると遅くなったりするけど子どものためにってなると、どうしてもね。

主任:例えば、運動会のために作り物に追われるのはやめるようにしています。普段の保育の延長線上に運動会があると捉えると、作り物も少なくてすみます。

園長:運動会のときに、ベトナム踊りと、すずめ踊りという演技があるのですが、中でもベトナム踊りは、この多文化の中で子どもたちが「ベトナムの踊りをやってみたい」ということから、続けて取り組んでいます。またすずめ踊りというのは、仙台の伝統芸能です。東日本大震災の時、YMCAでも支援に向かったのですが、すずめ踊りを一緒に踊ることで繋がっていきましょう、という活動の一環で始まりました。他の横浜YMCAの保育園でも踊っているんですよ。
そんなふうに、運動会のためにというよりも、震災支援をつなげている中でずっとやっているので、その時のためだけに、〇〇をする行事っていうのはあまりないかもしれません。

YMCAいずみ保育園の地域との交流について

地域とともに、地域に寄り添いながら
保育園は子育て支援の、最後の砦

開園当時から主任を務める島田先生。保育から保育者育成、子育て支援まで一人一人丁寧な対応を心掛けている
開園当時から主任を務める島田先生。保育から保育者育成、子育て支援まで一人一人丁寧な対応を心掛けている

園長:外国にルーツがある子どもたちって、多分苦しくなるのは、卒園してからだと思っているんですよ。園の中では、一人ひとりに丁寧に対応することで子どもの人権を守り切れるのですが、小学校に行くと、全然違う物差しで見られてしまうこともあります。小学校以降にも、自分らしく生きていかれるように、園として何ができるかということは考え続けています。
一緒に過ごすことだけが、多文化共生の保育というわけではなく、わかりあえない部分はわかり合えないんだから、その違いをしっかり認識をして、付き合っていくっていうことも必要だと思うんですね。「いずみ保育園って多文化だよね」という話になると、「外国につながる人が多いから」という風に単純に思われがちなのですが、それだけではなく、YMCAでいうと「神様から与えられている命が光輝いていて、それぞれが尊重できて、ともに生きていく社会を作っていくための具現化できる保育園である」というのが、ここだと思っているんですね。

主任:子育て支援の現場では、そのご家庭一つ一つにそれぞれ複雑な事情があり、長期的な対応が必要なご家庭もあります。丁寧に寄り添う、と一言でいうのは簡単ですが、本当に難しいことです。私たちはルールを押しつけることは決してしません。保護者の方と一緒に考えていく姿勢を持つように心がけています。私たち保育所は、子育て支援の最前線だと思っています。

園長:当園の特色の一つでいうと、しばらくコロナ禍でできていないのですが、「キッズボランティア」という活動があります。放課後小学生がきて園児と一緒に遊ぶのですが、そこには小学生の子どもたちの居場所を作るという意図もあります。もともと卒園児だけじゃなくて、地域の小学生、中学生、高校生が保育に入ることがとても多かったんですね。
それに関連して、実現することができた特徴的な活動としては「キッズごはんや」があります。この活動のきっかけは、新たな社会問題として、朝ごはんを食べられない子が発生していることに着目し、もし身近にいるのなら、小学校に行く前に園で朝ごはんを食べてから行かれたらいいね、というのが発想でした。しかし、朝は実現が難しかったので、長期休暇中の夏休みや春休みに、昼ごはんとして始めたんです。先ほどお話した「キッズボランティア」にも参加してもらって、200円だけ持ってきてもらって、日によっては自分たちで買い物にいってきて、自分たちで昼ごはんを食べて片付けるという活動です。ご飯が炊けて、みそ汁が作れれば食事の面で自立し、なんとか自分で命を守っていかれる。そういった支援として行っています。保護者と子どもを真ん中にして子育ての土俵にたたないと現場は成り立ちません。そのことを、少しずつですが、保育所の申込みや入園の在り方、考え方自体を改革していきましょう、と行政にも働きかけています。保護者の就労支援の施設ではなく、子育てを一緒にしていく。保育所が、子育て支援施設であり続けるために、保護者の都合で、子どもがないがしろにされる利用の仕方は違うと思うんですよね。そのことは保護者にも分かってもらわないとなりません。ずっとこの難しい地域でやってきているからこそ、保護者支援の重要性や緊急性を身に染みて感じている、保育所の未来、子育て支援の在り方について、ずっと考え続けています。

求職者へのメッセージ、求める人物像

子どもと一緒に純粋に遊べる、それだけでいい。
人間に興味があることは保育のスキルよりも大切なこと。

主任:職員を採用するときの基準……明るくて、子どもの目線に立てる人ですね。子どもと一緒に楽しむことができて、「嬉しい」「悲しい」など子どものさまざまな気持ちに共感できるような人、ですね。

園長:そうですね。いま、求めているのは、一緒に遊べること。子どもと一緒になる人、一緒の気持ちになれる人ですね。

主任:子どもだけ、ではなく保護者ともかかわっていく仕事なので、子どもだけが好き、というよりも、人に興味があることが大切です。人に興味がないと、辛くなっていってしまうと思うんです。興味をもって人と関わることが好きな人。関心がある人がいいですね。

園長:子どもが真ん中にいて、一緒にいてくれる人。子どもになれるということは、保育士としてとても大切な姿勢だと思います。

主任:実習生でも「教える」という視線を持たなきゃと、意気込んでしまう人がいるのですが、そうではなく、自分の方が降りていくというか、そんな姿勢や目線を持てるほうが、すぐに子どもの世界に入れるので、自分も楽になれると思うんですよね。

園長:また「見守り保育」といいますが、傍観者で見てるというのとは違います。見守って、評価ができて、やるべき支援が、そこで的確にできること。感覚的なものも含めて、子どもの中に入っていける人って素敵だなと思います。
YMCAはとても働きやすい職場です。産育休から現場に戻ってくる職員がほぼ100%なんですよ。常勤はYMCA全体での採用になっています。
私たちは、乳幼児にかかわる者として、とにかく「子どもを真ん中」において、子育てする施設、それを言葉だけではなく、実践する施設でありたいと考えています。一緒に子育て支援の最前線でともに活動してくれる仲間との出会いを楽しみにしています

取材を終えて・・・

子育て支援の原点と、子どもへのまなざし
保育の原点に還ることができる、あたたかいこども園

取材当日、玄関を入ると、クリスマス会のページェントの練習に向かう子どもたちが、楽しそうに聖歌を口ずさみながら階段を下りてきました。そのようすを見守る井上園長先生と主任島田先生の、温かくユーモアのあるまなざしに、この園の保育への姿勢がじんわり表れていると感じました。さまざまな背景をもつ子どもと保護者、そして保育者が手を携えて、一緒に子育てをしていく拠点。保育園、こども園の子育てを支えていく、みんなの居場所なんだということを思い出させてくれる素敵な保育園です。

この保育園の施設概要

施設名 YMCAいずみ保育園
勤務地 横浜市泉区上飯田町1872-1
最寄り駅 相鉄いずみ野線 いずみ中央駅 徒歩21分

写真でわかる!保育園の様子

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