リトルピエノ保育園 上麻生room株式会社バンビのピエノ

子どもに寄り添い、可能性を引き出す
モンテッソーリ教育を軸に、家庭的な保育を実践

川崎市宮前区で36年、地域に根差した幼児教室・地域保育園を運営してきた実績とノウハウを生かし、2019年にリトルピエノ新百合ヶ丘room、2021年4月には登戸roomと上麻生roomを開園した、リトルピエノ保育園の石村真紀子代表。「モンテッソーリ教育」や「おけいこ」の時間を取り入れたアットホームな保育が特徴です。小田急線新百合ヶ丘駅徒歩8分、緑に囲まれたリトルピエノ保育園上麻生roomで、施設長兼代表の石村代表と、主任保育士・内山しおりさんにお話しを伺いました。

リトルピエノ保育園 上麻生room

リトルピエノ保育園ができるまで

幼児教育に携わり30年以上
何よりも、人の絆と信頼関係の大切さを学んだ

陽ざしが明るく木のぬくもりが温かい保育室
陽ざしが明るく木のぬくもりが温かい保育室

リトルピエノ保育園は川崎市内に3園、いずれも内閣府所管の企業主導型保育園として運営しています。認可外保育園の位置づけではありますが、認可基準の指導監督を受け、安心・安全な運営と安定的な運営を行っています。ここ上麻生roomの定員は、0~2歳児で合わせて12名、少人数できめこまやかな保育を実践しています。12名というのは0・1・2歳の乳幼児を保育する環境としては、丁寧な保育ができるのでちょうどよい人数だと感じますね。

信頼関係を築くことの大切さ


さまざまなご縁があり、NPO法人を設立し「バンビのピエノ」という学童保育を立ち上げ、現在も新百合ヶ丘で運営して15年になります。しかし学童保育だけでは、自治体からの助成金も少なく、開設当初は運営が非常に大変でした。さすがに“想い”だけでは運営は続きませんので、経営の安定性はもちろん、保護者との信頼関係を築くことに全力を注ぎました。その甲斐もあり、今では1期生の子が大学生になり、学童を手伝いに来てくれています。保護者の方々もいまだに連絡をくれるんですよ。初めは子ども7人でスタートした学童保育でしたが、口コミで広がり、あっという間に2年目は20人に。学童保育の運営を通して信頼関係を築くことの大切さを痛感しました。

学童保育の運営が軌道に乗ったころ、「次は保育園をやりたいな」と思うようになりました。乳幼児期からの子どもや保護者にもっと関わりたいと考えていたのです。そんなとき、ある経営者の方から「企業主導型保育園なら、働く保護者に寄り添いながら、理想の保育・教育ができるよ」と教えていただきました。しかし最初は地元で保育園ができる物件がなかなか見つかりませんでした。ここでも素晴らしいご縁があって、登戸と新百合ヶ丘物件がほぼ同時に見つかったんです。地域的にも子育て世帯の数も多く保育園が求められていたので、とんとん拍子に保育園の夢が形になっていきました。

リトルピエノ保育園の保育について

モンテッソーリ教育を保育の軸に
子ども一人ひとりの力を生活と遊びの中で引き出す

代表で園長の石村さん。モンテッソーリの分厚いテキストは手作り
代表で園長の石村さん。モンテッソーリの分厚いテキストは手作り

モンテッソーリ教育を取り入れたカリキュラム

36年間幼児教室をやっている中で感じていたのは、保護者の要望が変わってきたここと。30年前ぐらい前は、ただ預かってくれればいい、幼稚園前に集団生活に慣れられればいい、というニーズが多かったのですが、現在はより教育的な要素、プレスクール的なものを求めている保護者が多いように感じます。保育園として、子どもの育ちをしっかり見ていく使命を果たすためにも、英会話とか絵画や体操もいいけれど、学生時代に学んだモンテッソーリを入れるのはどうかと思い立ったのです。

当園では、独自の教育的カリキュラムとして、モンテッソーリ教育を取り入れた活動、リトミック・英会話教室など、保育時間に「おけいこ」の時間を設定しており、モンテッソーリ教育として、「日常生活の練習」「感覚教育」を保育に取り入れています。

私自身2年間、夜間の学校に通ってモンテッソーリ教育の資格を取得しました。国際モンテッソーリ協会 = Association Montessori Internationale (AMI(アミ))の資格です。モンテッソーリ教育では「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「数教育」という4分野を学ぶのですが、全分野で400近い単位に分かれており、毎週レポートを提出。働きながらの通学は本当に大変でしたね。AMIが運営しているプレスクールや幼稚園も人気があって、モンテッソーリが改めて注目されているようです。

手作りの教具。指先の動き、目と手の協応を促し集中力を養う。
手作りの教具。指先の動き、目と手の協応を促し集中力を養う。

自然に訓練されていくことをめざします

子どもには、もともと自ら育つ力が備わっています。モンテッソーリ教育とは、一言でいうと、「子どもが自ら育つ力を伸ばす教育法」です。子ども自身が興味を持っている時(敏感期)に、その成長や発達の時期を見極めて、周囲の大人が援助することで、子どもが本来持っている育つ力が伸びる、という考え方が大きな柱になっています。

例えば「日常生活の練習」では、椅子を運ぶ、掛ける外す、タオルを絞る、野菜の皮むき、手を洗うなど、日常生活で行う手指や筋肉を使った動作を通して、筋肉をコントロールする力を身につけたり、脳や神経の発達が促されたりします。

「感覚教育」とは、目、耳、鼻、舌、手などの感覚器官を刺激し訓練(練習)することによって一人ひとりの発達を促すことです。五感を使って繰り返し活動することで、感覚が洗練されて機能化されていく。そしてやがて知性の発達、人格形成へと繋がっていきます。そのためモンテッソーリでは、体系化された教具を使います。はめ込みや、三角錐や円柱、触覚版や秘密袋などです。年齢や一人一人の発達・興味関心に応じて無理なく遊びの中で触れながら、自然に訓練されていくことをめざします。

当園のモンテッソーリのカリキュラムは、私が学校で学んだことを、オリジナルのテキストファイルにまとめて体系化しているんですよ。写真ではなく、手書きのイラストで初めてモンテッソーリにかかわる職員にもわかりやすくなっています。

細かく何をするか決めることで目標が達成しやすくなります


通常の園内研修とは別に、モンテッソーリの研修も月1回実施しています。日本モンテッソーリ協会の研修を受けてもらっていますが、ここ2~3年は、コロナ禍で研修も中止になり、受講が難しくなったりしたこともあり、主に園内で研修を実施しています。さらに現在は時間がない中、時間があるときに学んでもらえる良い方法かなと思い、職員限定配信でYouTubeの研修プログラムを準備中です。

モンテッソーリ教育の大半は、職員が手作りしています。忙しいので手が空いているときに作る、といってもなかなか難しい。反対に「手が空いているんですが、何かすることありますか」ということもある。そこで、当園では、水曜日のこの時間にはこれを作る、毎月第何週の何曜日には床にワックスがけをする、というように、曜日ごとに細かく何をするか決めています。

リトルピエノ保育園の職員について

人間力と保育力を持つ職員に恵まれて
人との出会いを通して生まれた最良のチーム

自然に囲まれた小さなお庭も
自然に囲まれた小さなお庭も

職員は、「モンテッソーリをやりたい」といってこちらに就職したという方ばかりではありません。皆さん学生の頃、保育や教育の科目でモンテッソーリについて学んでいますので、その名前や概要は知っている方が多いですが、入社してから現場の実践で学ぶことができるのが、私共の強みではないかと思います。

素晴らしい職員に恵まれて


こちらの上麻生roomは小規模な園ですが、定員12名に対して現在は主任や看護師も含めて15名の職員で運営しています。職場の環境づくりで大切にしていることは、風通しを良くする、ということです。限られた人数の中でも足並みが揃わないと、ガタガタになってしまうことってありますよね。何よりも「長」となる人、リーダーになる人の人間力が大切になってきます。上の人がどういうひとか。単に保育ができる人ではなく、職員それぞれの多様性を受け入れられる人、何よりも、この園の保育観をわかってもらえる人、こういう保育をしたいという気持ちに共感してもらえる人が必要です。

私は、会社の代表でもあり、施設長でもあります。保育園の現場には主任や看護師さんもいて、本当に心強いです。リーダーである彼女たちから日々学んでいることも多く、現場は信頼してお任せすることができています。ここ麻生roomの主任をしてくれている、しおり先生は特に私の思っていた以上に保育のプロであると同時に、人間力も抜群。私は日々勉強させてもらっているんですよ。上に立つ人は、園の規模の大小問わず、ワンマンではいけません。内山しおり先生は、職員のことを理解し、それぞれの良いところを引き出し、学び合いながら、チーム保育を実践しているところが素晴らしいと思います。

「和=輪」を大切に


保育をする上で大切にしていることは、保育者が個々の価値観を尊重しながらも、同じ方向を向いていること。そうしいないとぎくしゃくして、子どもに影響が出てしまいます。「和=輪」を大切にしています。それをまとめる人には何よりも人間力が必要です。職員が本当に素晴らしいので日々勉強させていただいています。

保護者の方々とも、日々登降園時にコミュニケーションを密にしていますが、今年はやっと行事ができるようになってきました。コロナ禍でずっと行事ができていませんでしたが、この5月に新百合ヶ丘・登戸・上麻生3園合同で親睦会ができました。顔を合わすことができ、情報を交換したりと、とても有意義な時間になりました。時には保護者の方から厳しいお言葉をいただくこともあります。しかしそれは、不安だから助けてほしい、親だって時には甘えたいという気持ちの裏返しでもあります。子どもと保護者にしっかり向き合って、地道に誠実にやってきた結果、たくさんの感謝をいただけるまでになりました。

主任保育士・内山しおり先生

石村代表が「人格者そして保育者としても大ベテラン」と信頼を置く、主任の内山しおり先生にもお話を伺いました。

主任保育士の内山しおり先生。丁寧な保育とチームワークを大切にしています
主任保育士の内山しおり先生。丁寧な保育とチームワークを大切にしています

私はこちらの保育園の開園当初から担任と主任を兼任しております。それ以前もずっと認可保育園に勤めており、保育士歴は約20年です。以前勤めていた保育園は大規模な園でしたが、この保育園では、子どもとよりゆったり向き合うことができて、一人ひとりに丁寧に耳を傾けてあげられるのが魅力です。1クラスの人数が多いと、どうしても集団で動かさなくてはいけない場面が多くなりますが、子どものペースで家庭的な保育ができるのがとてもありがたいですね。お誕生日会では出し物もしたり、手作りのケーキを作って提供しているんですよ。また英語、リトミックは月3回、基本の保育はモンテッソーリ教育ですね。

私は主任としてリーダー的な役割を任せられていますが、職員はみんな一緒に働く仲間です。20代もいますが、若い職員には、失敗を恐れずにとにかく挑戦してほしいと思っています。わからない時はどんどん質問してもらって、困っていそうなときは声をかけています。そして自ら「これがやりたい、やってみましょう」と言ってきてくれたときには、ダメだったらフォローするからと背中を押しています。気負いなく挑戦できることが職員の成長につながると考えています。

子どもと生活している中では、どうしても声が大きくなり、指示も多くなりがちになります。保育園では、子どもを一人の人間として尊重しながら、丁寧な保育をすることを基本としていますので、すべての職員にその理念や方針を徹底しています。園内研修を月1回行っていますが、パートさんにも全員参加してもらって子どもの人権の重要性や、言葉がけなど皆が意識を一つにできるように工夫しています。職員会議は午睡中に行います。伝達事項のほか、その月の反省と来月のねらいを話し合っています。

私が保育で一番大切にしていることは、子どもが安心して甘えられる環境をつくること。「ここに、この先生がいる、とっても安心できる場所なんだ」とくつろいで一日を過ごせる場所でありたいと常に考えています。そのためにも職員同士が和気あいあいじゃないと。子どもにも大人の空気感って伝わるんですよね。保護者も安心してくれます。これからもみんなで力を合わせて子ども達の育ちを見守っていくことができたらいいなと思います。

取材を終えて・・・

「まるで家にいるかのようなあたたかい空間が印象的」

石村代表と内村主任。インタビューには0歳児の女の子も飛び入り参加
石村代表と内村主任。インタビューには0歳児の女の子も飛び入り参加

取材にお邪魔すると、ちょうど英語の活動中。担当の先生が英語の歌を歌っていました。0歳の赤ちゃんも目をキラキラさせて体を揺らして楽しそう。子どもも大人も、ゆったりとくつろいで、まるで家にいるかのようなあたたかい保育室です。「いまは0・1・2歳児が中心ですが、学童も含めて0歳から12歳まで見たい、という夢はありますね」と語る石村代表。主任保育士の内山先生をはじめ、職員への信頼感が保育園の穏やかな雰囲気になっていました。保育現場でモンテッソーリを実践したい方にはおすすめの園です。

この保育園の施設概要

施設名 リトルピエノ保育園 上麻生room
勤務地 神奈川県川崎市麻生区上麻生1-10-6-103
最寄り駅 小田急線新百合ヶ丘駅徒歩8分

求人募集要項

現在募集を行っておりません。

詳細はほいくbloom事務局までお問合せください。

写真でわかる!保育園の様子