とんぼのおうち保育園NPO法人みずとんぼ_認可外保育園

誰もが無理なく子育てができる環境づくり
「気楽に子育て」「気軽に保育」の「ラク育」 の実現

とんぼのおうち保育園は、東急田園都市線「高津駅」から徒歩10分圏内の閑静な住宅街に位置する認可外保育園です。対象年齢は、0歳6か月~小学校就学前。2022年9月1日に開園しました。NPO法人みずとんぼの代表理事で園長を務める三瓶憲一先生にお話しを伺いました。

とんぼのおうち保育園

とんぼのおうち保育園ができるまで

IT系企業と保育業界を経験。
異色の経歴を保育に生かす

ログハウスのような開放的な玄関ホール。
ログハウスのような開放的な玄関ホール。

私は認可保育園で14年、園長として4年を経験してきました。保育士として働き始めたのは21歳の時です。当時はまだ、「保母」と言われてた時代。男性のいわゆる「保父」はとても少ない状況で求人も首都圏ではほとんどなく、偶然見つけたのが沖縄の保育園でした。

その後東京に戻り、もともと得意としていたコンピューターのスキルを活かして、IT企業に転職しました。全くの異業種でしたが、約6年間、システムエンジニアとして経験を積み、ネットワーク環境の整備や業務の自動化にも取り組んできました。またプログラミングやPCのインストラクターとして大手企業の研修講師なども経験させていただきました。

しかし一度保育現場を経験すると、どうしても「保育」の奥深さ、子どもの成長にかかわる仕事のやりがいが忘れられなくなるんですよね。そこで都内の認可保育園で保育士として再スタートを切ることにしました。改めて保育士として経験を積み、その後ご縁もあり園長に就任しました。
異業種の経験をしたことで視野が広がり、保育現場の業務効率化や、保育・教育活動の中にITのプログラムを取り入れるなど、さまざまな取組をしてきました。保育は感情労働と言いますが、保育業界のいいところも課題も含めて、現場と運営マネジメントの両面から経験することができたと思います。

認可保育園では、子どもたちはもちろん、保護者や職員の声にも耳を傾け、しっかりとした信頼関係をつくることができたと思っています。そして、人間の生命を預かる尊い「保育」という仕事の変えられない現状と、「もっとこういうことができるんじゃないか」という理想との狭間で、「いつか自分が思い描く理想の保育園をつくりたい」という想いを抱くようになりました。

一時保育は誰のため? もっと気軽に利用できる保育園をつくりたい。


基準や規制に守られた認可保育園という環境の中で、私がいつもジレンマを感じていたのが、「一時保育の利用のしづらさ」でした。認可保育園でも、一時保育事業を行っており認可保育園に入ることができなかった方が利用することができます。しかし、本当に困っている時、預けたいときに利用しようとすると、そこに大きな壁が立ちはだかるわけです。

認可保育園の一時保育を利用するためにはまず、事前登録が必要です。利用する可能性がある方が、保育園に予約を取り、面接を受けなければいけない。安全に安心して利用していただくためにも、お子さんの状況をヒアリングすることが必要です。

しかしその後、「来週(来月)利用したいな」という急用ができた時に登録した園に連絡をいただくのですが、「定員に空きがないので、しばらくご利用は難しいですね。お待ちいただいている方もたくさんいるんですが……利用できるようになったら連絡します」と泣く泣くお断りすることに。ましてや明日明後日利用したい、というご要望にはほとんどお応えすることができず、申し訳ない、といつも思っていました。

また、現場の職員は、いつも人手不足で、ギリギリのシフトの中で子どもの命を預かるという重責を担い、保育以外にも行事の準備や書類に追われて、疲弊してしまっています。

働く人にも余裕があって、大人も子どももゆったりと過ごす環境。そこでこそ、本当に楽しい保育、主体的な保育が実現するのではないか、と考えていました。本当に利用したい方、困っている方が、もっと気軽に預けられる保育園、働く人にもやさしい、みんなが笑顔になれる保育園を作ることができたら……。

そんな想いを胸に2021年、くしくもコロナ禍の真っただ中ではありましたが、NPO法人、そして保育事業である「とんぼのおうち保育園」を立ち上げることにしたのです。

とんぼのおうち保育園の保育について

コンセプトは「ラク育」。
預けやすく、働きやすい環境をめざす。

軒先には園側と小さな庭が。日向ぼっこや水遊びもできる。
軒先には園側と小さな庭が。日向ぼっこや水遊びもできる。

誰もが無理なく子育てができる環境づくり「気楽に子育て」「気軽に保育」の「ラク育」をキャッチフレーズにした園づくりをめざしています。

ご家庭の事情もさまざまです。フルタイムで就労している方はもちろん、パートタイマ―や専業主婦の方でも、子どもをちょっと預けたい、ということってたくさんあると思うんです。

小さい子どもと二人きりで過ごしていると、息が詰まってしまったりすることもあるでしょう。また上のお子さんのPTAの夜の会合や、自分が病気になってしまって病院に行きたい、ちょっとした用事や買い物にも、子どもを預けられないから出かけられない……

保護者自身が、もっと自分のことを大切にしてほしい、気持ちをリフレッシュすることで、また子育て頑張ろう!という気持ちにもなると思うんですよね。

「ラク育」とは、手を抜くということではなく、気持ちがラクになるということ。結果的に、気持ちの余裕もできて、前向きに子育てを楽しむことができると思います。

一時保育をメインにした保育園ってなかなかない。その役割を私たちが担おう、そう考えています。「保活」という言葉が定着して久しいですが、認可保育園に入ることができなかった方の受け入れ先として月極保育はもちろん、就職先を見つける間だけでも利用することができます。

いまって、「子育て家庭」に、孤独感があるのではないか?と思うんです。核家族化が進んだことによって、「ちょっと子どもを預かって欲しい」に対する支援が十分ではないように思います。前述したように、認可保育園の一時保育は利用しづらい、子ども家庭支援センターはあるけど、利用できる時間帯も限られている……。

私たちは、本当に必要とされている方に、必要な保育を提供したいと考えています。いつでも気軽に利用していただける保育園です。地域や理由を問わず、保育を必要とする方がご利用いただけます。

対象年齢は、0歳6か月から小学校就学前で、月曜日から金曜日までの平日は9時から22時まで、土曜日は9時から18時まで運営しています。日曜日もニーズに応じて月2回開園予定です。

急な用事ができてしまって、ちょっと預かって欲しい、というニーズに応えるのが一時保育「Chocotte ほいく」です。前日の予約(当日予約も応相談)でいつでもお預かりできます。「ChocotteほいくA」は9時~12時まで、「ChocotteほいくP」は15時~18時まで「ChocotteほいくN」は19時~22時まで。つまり最長で3時間のお預かりです。

一時保育のほか、月極の通常保育ももちろんあります。また、「気楽な子育て」を実現するために、「Oyako de ほいく」とのコースも用意しています。「Oyako de ほいく」は、親子で一緒に保育園に来て、一緒に過ごしていただくプログラムです。ちょっとしたことを相談したり、子育て仲間にも出会えたりする、身近なご近所の居場所を目指しています。

また夜間の一時保育にも力を入れています。前日の18時までにご予約いただければ、夜遅くまでの仕事が入る予定ができた場合や、急に夜Zoom会議やPTAの会合が入ってしまった、お通夜に行くことになったなど、理由を問わずご利用いただけます。近隣施設に職員が迎えに行くことも可能ですので、昼間は別の施設に預けている方でも利用が可能です。

洋服や肌着など通園の準備も大変ですよね。そんな方のために、手ぶらで利用できる仕組みも整えています。これらはバーコードがついたタグで管理していて、いつ誰に保育園の洋服や肌着を貸し出したかが一目で分かるシステムです。これも自分で作ってしまいました(笑)

とんぼのおうち保育園のカリキュラムについて

主体性をはぐくむ保育を乳児期から実践。
プログラミングも取り入れたカリキュラム

次々と生み出される作品たちが園舎の内外を彩っている。
次々と生み出される作品たちが園舎の内外を彩っている。

例えばブロック遊びひとつとっても、「先生、これ作ってー」という子どもが増えています。自分で考えて作るのが苦手な子どもが多いように思います。そうではなくて、自分で考えて手を動かしてみる、やりたいことを行動に移すことができる、そんな子どもを育みたいと思います。試行錯誤して、時には失敗を経験することも大事です。とんぼのおうち保育園では、日々の保育活動の中に、そうした体験ができるカリキュラムをたくさん取り入れていきたいと考えています。

いまは、情報が簡単に手に入る時代なので、インターネットで検索すればすぐに知ることができます。でも本来は、知るということは本当は大変なことです。試行錯誤するという経験が失われてきている気がするんですね。

例えば、プログラム玩具ですね、まっすぐのイラストのカードを入れるとまっすぐ動き、右に曲がるイラストのカードを入れると右に曲がるおもちゃがあります。さまざまなカードの組み合わせでより複雑なコースを走らせるようになっています。「こう動かしたいときは、こう組み合わせればいいんだ」と論理的な考え方ができるようになります。

「ビスケット」というプログラミング言語のロボットづくりも考えています。「やりたい」という興味の段階から「もっとこういう風にしていきたい」という、創意工夫、創造力に発展していく。うまくいかない事もあるし、うまくいったら達成感が得られる。それを実体験として身に着けられるようなカリキュラムです。

乳児保育でも、手指や脳の発達を促すさまざまな玩具を取り入れています。子どもが自分で「こういう風にしたい!」と思って、それを行動にうつしてやってみたら「あ、こういう風になるんだ」……一連のプロセスを自然に身に着けることができる。そんな遊びをどんどん取り入れていきたいと思います。

お散歩コースも充実しています。近くの溝の口緑地は広くて自然がいっぱいです。多摩川の近くにも公園がたくさんあります。

保護者との連絡には、「コドモン」を導入しています。出席、欠席の連絡や園からの連絡事項など、保護者の方はアプリでいつでもどこでも入力したり確認したりできるのでとても便利です。

園長が大切にしていること

保育園は第二の家庭。
自分らしく過ごせる居場所にしたい。

「認可保育園での経験を生かしたい」代表理事で園長の三瓶先生。
「認可保育園での経験を生かしたい」代表理事で園長の三瓶先生。

仮に長時間の保育になってしまっても、その家庭的な雰囲気の中でゆったりと過ごせることが大事だと思っています。長く保育園にいるから、かわいそうという考え方ではなくて、家庭と同じように、ゆっくりとゆったりと過ごせる環境だったらいいと思うんです。

ムシムシハウスや池があるのも、とんぼのおうち保育園の特徴的な環境のひとつです。ムシムシハウスは、虫を飼育・観察するための小屋です。卵を産んで、卵がかえって…という、生命のサイクルを観察できる、子どもたちの教育にとても大切な場所になるはずです。池ではメダカを買っています。小さいながらも、生の自然に直接触れることができる。生き物の営みを観察できるってなかなか貴重だと思うんですね。

私自身、虫とか魚が大好きなんです。もちろん虫と関わることが好きじゃない子もいるんですが、興味を持って観察すると、世界が広がります。

以前の園にもムシムシハウスがあって。カブトムシの幼虫が夏前ぐらいになると地面から出てくるんですが、虫が苦手な子どもたちも、その様子を興味津々で見たり、成虫が死んだあとの腐葉土の入れ替えの時にも、結構世話を楽しんでいましたよ。生き物に興味を持つといっても、そもそも触れ合う機会がないと興味が持てないわけですよね。

保育園だと、小さい虫かごが保育室の中にあって……というところがほとんどだと思うのです。ムシムシハウスは大きな小屋になっているので、虫が生き生きと生息しているようすを観察することができます。ご近所の小学生もバッタを見に来てくれているんですよ。

最先端のプログラミングを取り入れた保育や教育、そして自然にも触れることができる。最先端を取り入れた保育環境と自然に触れられる空間がある。そのバランスが大切だと考えています。

そして、私自身、イラストや手作り工作が得意なんです。実は若い頃はそれほど好きじゃなかったんですよ。保育士のころは、すごく苦手で、いい意味でできるだけ手抜きしたいな、と思っていました。園長になってから時間ができて「こういうのを作ったら面白そうかな」といろいろ作っているうちに、楽しくなってきたんですよね。今ではどんどん制作アイディアが湧いてきて。常に何か作っている感じですね。

また、地域に向けた取組としては、お話会やイベントも開催中です。今後は避難訓練など、防災教育も地域の方と一緒にやっていかれたらと考えています。いざという時には地域との絆が欠かせません。そういった繋がりをこれからもっと作っていかれたらと思っています。

コロナ禍で、ますます人と人との距離感がすごく遠くなってしまったような現状がありますよね。ですから今、保育園にいつでも遊びに来てね!立ち寄ってね!という形で皆さんにオープンにしているのは、まずは私自身がこの地域の一員になりたいという想いからなんです。開園準備をしているときには「保育園ができるんだー、へー」みたいな感じで、地域のみなさんが通りすがりに、覗いていってくださったり、時には遊びに来てくれたり。

絵本や子ども服、玩具の寄付を募るポストを設置したところ、たくさんのご寄付が集まりました!草の根活動ではありますが、そんな風に、地域に少しずつ根付いていかれたらと考えています。

とんぼのおうち保育園の特徴

職員の業務負担を減らしたい!
働きやすい職場づくりを目指して。

論理的思考力をやしなう、幼児用の玩具。
論理的思考力をやしなう、幼児用の玩具。

行事についてですが、保育園では「行事のための行事」になってしまいがちです。大きな規模の保育園にいたので、行事の大変さは身をもって体験しています。

運動会とか、お楽しみ会といったような行事には確かに華やかさはあるんですが、それが保育のメインになってしまうのは、どうしても避けられない。そうなってくると、果たしてその保育って楽しいかなって、私は思ってしまうんです。もちろん楽しい場合もあるとは思うのですが、結局業務の負担になっていることが多いですよね。そうではなく、子どもの活動の中で生まれたことを広げていけばいいと思っています。また、行事計画書などの保育帳票類も、得意のITの知識を生かして、オリジナルでシステムを作っているところです。

保育に影響のない範囲で負担になる作業はどんどん減らして保育士の負担を軽くしたり、経費を申請しやすくしたり、保育士のやりたいことを後押ししたりするのが私の役目だと思っています。

認可外保育園ではありますが、外部研修はもちろん園内研修も充実して、職員の学びの機会もどんどん作っていきたいと思っています。
例えば人権の考え方が、とても難しくなっていますよね。ついうっかり差別用語を使ってしまう、なんてこともあると思うんですよ。しっかり正しく理解するために、職員間で勉強しあう機会を作ろうと思っています。私が教えるというよりは勉強会みたいな形で実施できたら。例えば職員会議の中のちょっとした、10分15分ぐらいでできたらいいな、と考えています。

求職者へのメッセージ、求める人物像

求職中の保育士・保育補助の方へ
見学・面接も気軽に!「ぶらっと面接」

おさかなハウス(池)ではメダカを観察できる。
おさかなハウス(池)ではメダカを観察できる。

毎週水曜日と金曜日の10:00、11:00、12:00であれば、就職希望の方も、ぶらっときていただければ、ご案内や説明をさせていただいています。

また「ぶらっと面接」では、月曜日・金曜日の15:00、16:00、17:00に、ぶらっときていただければ、そのまま面接します、としています。ぶらっと見学、ぶらっと面接は、いずれも事前連絡不要、持ち物不要、普段着OK、支援者同伴可、としています。

支援者というのは、面接を受ける時に、どうしても一人だと緊張してしまったり、聞きたいことが聞けなかったりすることってあると思うんです。不安な方は、自分の回答をフォローしたり、見守ってくれる人、一緒に話を聞いてくれるような、友人やご家族を同伴していただければより安心して面接を受けられるのではないかと思います。お子さん連れでももちろんOKです。

なぜこのような取組みをしているかというと、気軽にみんなが子育てできる環境づくりに、ここにやっぱり、つながっているんですよね。まずは会って話して、安心してもらうこと、が大切だと思っています。

採用面接のときに基準としているのは、とにかく人が好きな人であることが大事かなと思っているんです。ちょっとシャイな人でも大丈夫です。根底に、人が好きであること。それがあれば、どんなことも乗り越えていけると思うんです。

お家みたいな環境で、子どもがくつろいでのびのび過ごせる環境があります。預ける方も、働く方も、大人も子どももどこか懐かしくてあたたかい。そんな保育園です。給食も手作りです。「ほんとに何も持ってこなくても大丈夫だよ!」って、保護者に対する子育て支援の姿勢、その理念に賛同してくれた保育士さんに来てもらいたいと思っています。

取材を終えて・・・

「おうち」のような保育環境で、のびのび保育を実践してみませんか

あたたかい笑顔のやさしい三瓶園長先生。認可保育園での保育士・園長としての経験、そしてIT企業でのご経験が存分に生かされた、働きやすい環境が整っています!
新しい保育園ならではの、「一緒につくっていく」やりがいが感じられる保育園です。
10月28日のオープニングイベントをはじめ、これから様々なイベントを企画中!
「ぶらっと見学」「ぶらっと面接」もありますので、気軽にお話を聞くことができますよ。ぜひ遊びに行ってみてくださいね!

この保育園の施設概要

施設名 とんぼのおうち保育園
勤務地 神奈川県川崎市高津区溝口5-1-7
最寄り駅 東急電鉄高津駅 徒歩8分

求人募集要項

仕事内容 保育士
雇用形態 正社員
給与 198,500円~ 住宅手当 30,000円(世帯主のみ) 賞与 年2回(3.2カ月分)
交通費 通勤手当あり
勤務期間 長期
勤務時間 9:00~18:00
休日・休暇 週休2日
応募資格 保育士資格(必須)、経験者優遇

写真でわかる!保育園の様子

  • とんぼのおうち保育園
  • とんぼのおうち保育園
  • とんぼのおうち保育園
  • とんぼのおうち保育園
  • とんぼのおうち保育園