南砂あら川保育園社会福祉法人 城西福祉会

情緒豊かな人間性と思いやりの心を育てる「あら川メソッド」を軸に
人を大切にする、保育園づくり・職場づくり

令和2年4月に開園した南砂あら川保育園。東京メトロ東西線東陽町駅から徒歩5分、集合住宅の1階部分にある認可保育所です。駅からまっすぐ伸びる広々とした幹線道路沿いにある園舎は、都心の真ん中にありながらも、緑豊かな環境に囲まれた解放感のある園舎になっています。社会福祉法人 城西福祉会・理事長の坂本幸一先生と、南砂あら川保育園の河野萌園長先生に、お話を伺いました。

南砂あら川保育園

理事長からのコメント

坂本幸一先生

遊具や教材も充実している広々と明るい保育室
遊具や教材も充実している広々と明るい保育室

法人全体で取り組む「あら川メソッド」

私たち社会福祉法人 城西福祉会は山梨県に法人本部があり、私はほぼ毎週東京・埼玉の保育園も含め各園を巡回しています。行事も可能な限り参加するようにしています。

法人の歴史は古く今年(2022年)で設立43年。長年にわたり、地元山梨で子どもや子育て家庭の福祉向上に貢献してきました。現在山梨県、東京都、埼玉県で全6園の認定こども園、認可保育所を運営しています。いつか東京で保育園を運営したいな、と思っていたのですが、ご縁をいただいて、令和2年江東区に南砂あら川保育園を開園することができました。

私たちが全園共通で取り組んでいる保育の軸、それが「あら川メソッド」です。「社会に貢献できる人を育てる」を理念として掲げ、「1.家庭的な雰囲気の中でのびのびすごす」「2.情緒豊かで思いやりのある心を育てる」「3.基本的な生活習慣を身につける」「4.安全に気をつけ健康的にすごす」という保育目標のもと、友達のことを思いやる心そして、生きる力、自立心を育てます。

「あら川メソッド」の内容は、ワーク(読み書き・計算)・体操・かけっこ・音楽です。子どもたちを見守り、ありのままを受け止め、心を育むこと、そして日々の生活の中で自ら考え、気付き・行動できる力(自立)を伸ばしていきます。

例えば幼児は、3歳~6歳まで毎日逆立ちをやっていますが、逆立ちができるようになることが目的ではありません。逆立ちができなくてもいいんです。一生懸命に取り組むそのプロセスを通して、「頑張るって、こういうことなんだ」という感覚を覚えることが大切なんですよね。

異年齢の関わりも大切にしています。縦割り保育を行うことで、年長児には年少児を思いやる心、そして年少児は年長児から学び、あこがれたり見習ったり、まるで兄弟のような関係性の中で、育ちあう環境が自然に作られていきます。

南砂あら川保育園は、コロナ禍での開園だったため、地域に向けた取組みがまだできていないのですが、今後は少しずつ、地域とのつながりも作っていかれたらと考えています。

山梨では、地域子育て支援センターとして未就学の子育て家庭と交流がさかんな園もあります。また夏祭りには多くの近隣の方が参加してくださったりしています。大規模な会場をお借りして、4園対抗の運動会なども開催しているんですよ。保護者が横断旗を作ってきてくれたり卒園児も遊びに来てくれたりと、とても盛り上がっています。南砂あら川保育園でも、地域に開かれ愛される保育園づくりをめざしていきたいと思っています。

坂本理事長。子どもたちや職員とのコミュニケーションを大切にしている
坂本理事長。子どもたちや職員とのコミュニケーションを大切にしている

働く人が生き生きと、成長しつづけられる職場に

保育園の運営で重要だと考えているのは、「人を大切にすること」です。子どもも安心して楽しく過ごすことができて、職員も働きやすく、保護者も安心して預けられる居場所でありたいと思っています。

職員には、ここでずっと長く働きたいと思ってもらえるような、働きやすい職場にしたいといつも考えています。そこで、入社前からまずは法人の理念や方針、また社会人としてのマナーなどを学ぶことができる事前研修を実施しています。いつでも原点に戻ることができるよう、わかりやすい小冊子を作って職員に配布しています。クレドのようなものですね。法人の考え方や価値観に共感し、同じ方向を向くこと、それが、子どもたちのためにより良い保育を実践していく基盤だと思っています。保育者個人のアイディアやスキルはもちろん大切ですが、個々人の考えでやる保育ではなく、共通の軸に基づくねらいや目標を立てて保育を行うことが、質の向上にもつながると思います。

保育士同士の情報共有・学び合いの場として、法人6園で、各年齢ごとにオンラインで「定例会」を開催しています。「うちの園、クラスでは今こんなことをやっています」「こんな工夫をしたらうまくいきました!」といったように、各園の担任が報告・発表をしています。また法人全体で、保育に関するさまざまな研修も実施しています。私自身、研修や部会にもできるだけ参加するようにしています。何よりも子どもが好きで、そして素直な方、同じ方向をむいてくれる方、私たちの保育に共感して長く働きたいと思ってくださる、そんな方との出会いを楽しみにしています。

園長からのコメント

河野萌園長

河野園長。子どもに寄り添う保育に力を注いでいる
河野園長。子どもに寄り添う保育に力を注いでいる

日々の保育を通して、子どもの自己肯定感や非認知能力を高める

南砂あら川保育園では、子ども一人ひとりを大切にする環境づくりを心掛けています。人数に対してゆったりとした面積の保育室の他、水遊びや砂遊びができる園庭もあり、地域には自然もいっぱい。散歩コースも豊富で色々な公園に出かけ、天気の良い日はのびのび戸外活動を行っています。

法人の理念である「社会に貢献できる人を育てる」そして保育目標に沿って、各園で「あら川メソッド」を実践しています。私たちの園では、「体操」「音楽」「ワーク」を行っています。

例えば体操は、6歳までに脳の回路がつながり運動神経がつくられると言われていますが、ケガをしない体づくりの土台として行っています。体づくりであると同時に、自己固定感や非認知能力を高めることにつながるんですよね。体操を通して、あきらめない気持ち、人を応援する気持ちや思いやりの心を身につけることができると考えています。

朝の時間にはマラソンも取り入れています。登園して着替えたら5分の曲を3曲流します。5分って結構長い時間ですよね、大人でも息切れしてしまいますが、子どもたちは生き生きと取り組んでいます。走ることで、体の動かし方を学ぶことができ、次の動きにつながっていきます。

またワークは、小学校入学後を見通した活動です。45分間座ることができる習慣を身に付けることで、小学校の授業にも順応できるように、という考えのもと取り入れています。しかしいきなり45分間ということではありません。1~2歳児クラスでは、朝の会で歌を歌う、椅子に座って10分過ごしてみようというところから始めて、3歳クラスからのワーク活動では横棒一本ひいて花丸をもらう、というように段階を踏んでいきます。

どの活動にも、「何かを一生懸命やったら、できるようになった」という経験が積み重なっていくという点が共通しています。「自分は頑張るとできるんだ!」という自信につながっていく、そんな気持ちを大事にしています。

逆立ちに張り切って取り組む子どもたち
逆立ちに張り切って取り組む子どもたち

子どもたちの育ちにていねいに寄り添う保育を実践

子どもたちは、昼間の大半を保育園で過ごします。そのため、毎日健康面や安全面、衛生面の配慮も欠かせません。1~2歳児クラスでは、できるだけ家庭的な雰囲気の中で安心して過ごせるように心がけています。一人ひとりの欲求を満たしながら子どもの願いをくみ取るようにしています。その中で、無理なく少しずつ基本的な生活習慣も身に付けられるように保育を進めていきます。

例えばトイレトレーニング。2歳児クラスの保護者にはお手紙で、年度初めにトイレトレーニングの進め方をお知らせしています。

当園では、2歳の夏からすこしずつ始めていきますが、午前中だけとか午後までとか一人ひとりのペースに合わせて段階を設定して、1年間を通して進めていきます。園とご家庭、24時間の生活リズムで進めることが大事です。日中はパンツで過ごせても、夜はまだオムツが取れないのはよくあること。進め方や、感覚、考え方を保護者の方にも共有して、同じ気持ちで向き合えたらいいなと思います。

コロナ禍なので感染症対策には十分注意しながら、給食後の歯磨きも行っています。1歳児クラスから少しずつ進めますが、歯ブラシを持つと子どもも楽しくなって、持ったまま歩いたりと危ない場面も想定されるので、しっかりと見守りながら少しずつ慣れるようにしています。

また、法人全体で大切にしていることは、子どもを一人の個人として尊重すること。例えば、鼻を拭くにしても、だまって拭かないで、「いまから鼻を拭くよ」と声がけをしてから拭いてあげる。当たり前のことですが、それがていねいな保育の基本だと考えています。また、友達の力ってすごく力があって、自宅ではやらないことも、友達やお兄さんお姉さんがやっていると、僕も私もできる!と思って頑張ってくれるんですよね。日中は各クラスで生活していますが、朝や夕方の自由遊びや誕生日会などできるだけ異年齢クラスでの関わりを持てるように工夫しています。

行事では、運動会は保護者にも参加していただいて昨年開催することができました。大きい子のクラスのみ、保護者は2名までという制限のもとでしたが、子どもの成長した姿を見てもらうことができ、とても有意義な時間になりました。地域とのつながりという面では、開園してからというもの、コロナ禍でもあったのでなかなか取り組むことができていませんでしたが、今年は地域と関わっていくことができたらと考えています。

法人の理念や方針、心得などが分かりやすくまとめられたハウスルール
法人の理念や方針、心得などが分かりやすくまとめられたハウスルール

理念があるからこそ、より良いチーム保育ができる

私自身、園長としてはまだまだ勉強中なのですが、コミュニケーションする上で心がけているのは、大人も子どもと同じように、いろいろな人がいるということ。その人の姿をありのまま受け止め、頑張っていることや悩んだり迷ったりしているそのプロセスを見ることを大切にしています。

そしてその職員が日常の保育の中で、「あの時はこういう風にかかわってくれてたね」「こういう風にしてほしいと伝えたことを、すぐ実行してくれてありがとう」など、小さなことでも感謝を伝え、できるだけ声をかけるようにしています。ちょっと最近元気がないな、という職員がいたら、「何かあった?」とすぐに声をかけるようにしています。そうすると「ちょっと落ち込むことがあって…」と打ち明けてくれることもあります。話すことで気持ちが楽になりますよね。いつでも話を聞くよ!というスタンスでやっています。一方で、子どもに対する関わりの中で「それはどうなのかな?」と思うときは、ケースバイケースですが、その場で声をかけて、「法人としての方針はこうだから、こういうふうにしてほしい」とすぐに伝えて、保育の面でも共通理解が得られるように努めています。

チーム保育はコミュニケーションが基本です。保育園はとにかく忙しいので、話したいことがあってもなかなか時間をとることができません。年に4回、職員全員と1対1の個人面談を実施しています。アイディアや意見に耳を傾け、皆が話しやすい雰囲気づくりを心掛けています。私からは、感謝の気持ちをみんなに具体的に伝えました。職員みんなが、自分たちのそれぞれの持ち場で一生懸命やってくれているので、安心して園長の仕事ができ、とても助けられています。

職員会議は月に1回、そのほかに部門ごとの会議(大きいクラス・小さいクラス・給食)が月に1回あります。園長会議は月1回ですが、分からないことなどがあれば、系列園の園長先生にも気軽に相談することができます。法人の中に仲間がいるって心強いですね。何よりも理事長が毎週来てくれて、とても話しやすいので、保育や運営面のことも、相談しながら進めていくことができます。現場に寄り添ってくれる人が上にいることで、働きやすい職場環境が実現していると思います。

採用後は、入職前に、法人としてしっかりと事前研修を行ってくれているので、理念や保育、職場のルールなどをしっかり学んでから配属されるので安心です。入職時に配布される小冊子にはあら川の法人職員としての心得などがわかりやすくまとまっており、職員会議でも活用しています。

毎日子どもたちの可能性にたくさん出会える、明るくて働きやすい職場です。私たちの理念や方針を理解し共感してくださる方、これまでのやり方にこだわらずに、素直で前向きで一緒に頑張ってくださる方に来ていただけると嬉しいですね。

取材を終えて・・・

「子どもたちの育ちにていねいに寄り添う保育が印象的」

南砂あら川保育園の玄関
南砂あら川保育園の玄関

何よりもしっかりとした保育の理念そしてチーム保育を大切に、子どもたち一人の個性を大切にていねいな保育を実践されていることが、理事長先生と園長先生のお話から伝わってきました。待遇面や研修などもとても充実しており、男性保育士も活躍しています。明るく広々とした保育室から聞こえてくる元気いっぱいの声、子どもたちが生き生きと活動しているのがとても印象的な保育園でした。

この保育園の施設概要

施設名 南砂あら川保育園
勤務地 東京都江東区南砂2-2-11 ライオンズマンション東陽町第3 1階
最寄り駅 東京メトロ東西線東陽町駅から徒歩5分

求人募集要項

仕事内容 保育士
雇用形態 正社員
給与 226,800円~253,080円
交通費 あり
勤務期間 長期(試用期間3カ月)
勤務時間 7:30 ~20:30のうち8時間シフト制
休日・休暇 日曜日 祝祭日 年末年始(6日) 有給休暇 慶弔休暇
福利厚生 健康保険 雇用保険 厚生年金 労災保険 など
応募資格 保育士免許必須

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