南行徳保育園・南行徳小規模保育園ル・アンジェ株式会社

食と絵本にこだわり、一人ひとりに向き合う。
少人数で丁寧な保育を実践

東京メトロ東西線「南行徳」駅から徒歩すぐの、駅前通りに面した便利な立地に、ひときわ大きな新築マンション。この1階部分に2023年4月1日開園した「ル・アンジェ南行徳小規模保育園/ル・アンジェ南行徳保育園」は、0~2歳児対象の小規模保育園と、3~5歳児対象の認可保育園が隣り合っているめずらしい園です。2つの園の特徴について、それぞれ取材してきました。

南行徳保育園・南行徳小規模保育園

ル・アンジェ南行徳小規模保育園【0~2歳児】

大人も子どもも、のびのび
自分らしく過ごせる環境づくり

子どもたちの豊かな心を育む絵本は保育の中で大活躍。お気に入りの絵本がすぐ手に取れるように保育環境を整えている。
子どもたちの豊かな心を育む絵本は保育の中で大活躍。お気に入りの絵本がすぐ手に取れるように保育環境を整えている。

ル・アンジェ南行徳小規模保育園は0~2歳児を対象とした小規模保育所。
待機児が多い地域ということもあり、4月開園当時から、すぐに満員になったそう。
駅から徒歩すぐ、という立地もあいまって、子育て世帯が増えている地域にとっては待望の保育園だったのですね。きょうだい児の利用も多いのが特徴です。
子どもたち一人ひとりに丁寧に接しながらも、異年齢での活動も大切にしています。

取材当日はいいお天気。お散歩から帰ってきた1歳児クラスの子どもたちが、靴を脱いで、靴箱にしまって、靴下と上着を脱いでしまって、手洗いへ……と、ときどき保育士に促されながらも、ごく自然に自発的に動いていました。園生活の流れが驚くほど自然に身についています。「自分のことは自分で」。基本的生活習慣を身に着けることは、保育園生活のひとつの目標でもあります。

生まれてからの3年間という、人間の成長にとって最も大切な土台となる時期。周囲の大人との愛着関係、信頼関係を築くこと、食事、排泄、着替えなど、人間として豊かに生きて生きるための力を体得していくことはとても重要で、かつ難しいことでもあります。
保育者が日々丁寧に、一人ひとりの成長・発達をみながらじっくりと向き合っているからこそ、「いま」その子に必要なサポートができる……見守る、や待つ、だけではなく、時には保育者が一歩先で「お手本」を見せていくことを基本にしています。

絵本で豊かな人間性を
食で健康な心と体をつくる

小規模保育園(19人定員)。1フロアだが、0年月齢や発達に合わせてスペースを区切ることができる
小規模保育園(19人定員)。1フロアだが、0年月齢や発達に合わせてスペースを区切ることができる

各クラスの保育室には、年齢発達に合った絵本がたくさん並んでいます。場面の切り替え時や自由遊びの時間、食事や午睡前、お迎えを待つ時間…保育活動の主軸にいつも絵本があり、子ども1人が1日に絵本に触れ、ページをめくってみる。
実際に全部を自分で「読む」ことができるのは、早くても3~4歳以上ですが、まだ言葉が発達していない0歳児の頃から、たくさんの絵本に触れさせてあげる環境をつくることで絵本が大好きになった子どもは、家でも自然に手に取るようになります。

ル・アンジェのWebサイトには「3年間で目指せ 読み聞かせ2万回!」という言葉があります。実際に回数を測定しているわけではないそうですが、「たくさん絵本に触れることで、思いやりや創造力、自分で考える力、冒険心、困難を乗り越える力、また学校での学習の土台となる読解力も身についていく…絵本の力ってすごい! だから良質な絵本にたくさん触れさせてあげたい」……少し大げさに感じられるこのキャッチコピーには、そんな願いが込められているとのことです。

季節の行事や特別な日を
思いっきり楽しむ

手作りの給食とおやつは、三大アレルギー食材フリー。「おいしい!」と子どもたちに大好評。
手作りの給食とおやつは、三大アレルギー食材フリー。「おいしい!」と子どもたちに大好評。

小規模保育園ではありますが、隣接する連携施設、3~5歳児対象の「ル・アンジェ南行徳保育園」と協力・連携し、大きな行事はいっしょに行うなど、異年齢での交流の機会も多く設定しています。

開園初年度ながら、夏祭り、運動会、ハロウィンなど、職員手づくりの行事も。保護者からも大好評。
行事のために残業することはなく、あくまでも、日々の保育活動の延長線上で、子どもも大人も無理なくできることから取り組んでいます。
職員会議などでアイディアを出し合い形にしていく中でも、行事の係だけが奔走するのではなく、すべての職員が自発的に協力し、フォローし合いながら、「子どもたちが笑顔になれる体験を」いつでも子どもを真ん中に、何より楽しみながら作り上げていきます。



できたことを「褒める」だけでなく
がんばった「過程」を認める保育

「保育士にも得意なこと、不得意なことがありますよね。だから、その個性を伸ばしてあげることで、自信もついてきます」と話してくれた、園長。
「例えば『私、ピアノが弾けないんです、でも制作なら得意です』という人がいたら、大好きな制作を、保育の場面でたくさん取り入れて生かしていけばいいんです。ピアノは得意な人が弾けばいい。苦手なことがあっても、それはコンプレックスではなく個性。新人だからとかベテランだとかは関係ありません。みんな唯一無二の人間です。とにかく「楽しい」と思えること。それが保育の基本だと思います」

個性を認めて伸ばしていく。好きな保育にチャレンジできる環境がある、それがル・アンジェの魅力、と園長はいいます。
うまくできたことや、100点の点数が大切なのではなく、たとえ失敗してしまったとしても、そこにいたるプロセスで、自分が「がんばった」と思えたらいい、という考え方がベースになっているからこそ、「自分らしさ」がのびのびと発揮できるのですね。

ル・アンジェ南行徳保育園【3~5歳児】

経験・体験こそが生きる力!
幼児期に出会うことが、人間力につながる

広々明るい保育室。お昼寝はコットで(写真は南行徳保育園)
広々明るい保育室。お昼寝はコットで(写真は南行徳保育園)

ル・アンジェ南行徳小規模保育園の隣にある、ル・アンジェ南行徳保育園は定員50名。
広くて明るい保育室で、子どもたちが思い思いの時間を過ごしています。
「3,4,5歳は小学校へと向かう子どもが大きくのびる時期。吸収力も高まっています。この時期にどんな体験・経験ができるかで、子どものその後の情緒や、困難を乗り越える力、学ぶ力の芽生えにも大きくかかわってくる。だからこそ、当園では、家ではできない経験・体験を、どれだけ豊かにさせてあげられるか、を何よりも大切にしています」そう語る園長。

開園初年度ということもあり、まだ5歳児はいませんが、小学校就学前を見据え、長時間を過ごす保育園という生活面での機能はもちろん、リトミックや体操、制作活動、文字や数字、社会的なものごとへの興味・関心も育てるうえで大切な教育面でのカリキュラムの充実にも力を入れています。天気が良い日には戸外活動に積極的に出かけ、夏には施設裏のスペースで水遊びも行っています。

子どもたちの成長を支える
おいしくて安全な食事

なんといっても、ル・アンジェの特徴は「食」。
南行徳保育園には栄養士、調理師も常駐しています。
献立は「オイシックス」と提携。卵、乳、小麦の3大アレルギー源除去の献立を使用しています。
また、特別栽培米を玄米で仕入れ、園の精米機で毎日精米し提供しています。
職員も希望者は給食を食べることができます。
とにかく「おいしい!」と評判。子どもたちの残食はとても少ないそう。
また、子どもたちが見たこともない大きな昆布や、鰹節削りを体験したり、房付きのトウモロコシの皮をむいたりなど食育活動もたくさん行っています。

忙しい保護者と
ともに成長を喜び合える工夫を

コロナ禍もだいぶ落ち着いてきましたが、隣接する小規模保育園と連携し、夏祭り、運動会など保護者参加型の行事も行っています。動画配信も活用し、毎月食育活動や保育活動の様子を動画配信したり、保護者面談、クラス面談、保護者支援もきめ細やかに行っています。
ル・アンジェでは、保護者との連絡に登降園アプリ「ルクミー」を利用しています。毎日の保育の様子は写真や動画で配信し、保育日誌など主な保育書類もルクミーを活用。

保育のICT化にも取り組んでいます。
「開園したばかりの頃は、チームワークもなかなか確立できず、連携がうまくできない場面もありましたが、問題点を出し合い、よりよいクラス運営、個人の保育力アップに日々取り組んでいます」と園長。
園内研修も毎月さまざまなテーマで行い、職員には積極的にキャリアアップ研修他、自治体等が主催する外部研修に参加してもらうなど、学びの機会も提供しています。現在、法人独自の全体研修、保育研修の充実も図っているところです。

職員が長く安心して働ける
環境づくりに法人全体で取り組む

業務効率化と保育の質の両面から、職員の働きやすさを法人全体で整備している。
業務効率化と保育の質の両面から、職員の働きやすさを法人全体で整備している。

ル・アンジェ株式会社の創業は2006年。もともとベビーシッター事業から始まった企業です。千葉県市川市で4園、東京都墨田区で1園、埼玉県新座市で1園、併せて6つの保育園を運営しています。ベビーシッター、居宅訪問型保育、病児保育、産後ケア、イベント保育、放課後等デイ・サービス事業など、「子育てに不安のない社会をつくる」を企業理念とし、100%子育てにかかわる事業を展開しています。
そして2024年4月には、保育園として7園目になる「ル・アンジェ市川保育園」を、JR総武線市川駅すぐそばに開園予定。ル・アンジェとしては初めてとなる、100名定員の大きな保育園です。

保育士不足が続いている状況に変わりはありませんが、子どもの成長と生命を支えるプロフェッショナルである保育士に、少しでも安心して長く働いてほしい、という想いから、働きやすい環境づくり、待遇改善にも毎年取り組んでいるところです。
現在、保育士の残業はほとんどなく、有給休暇取得の自由度も高いのが特徴です。また、LINEなどの個人アカウントのやりとりはなく、職員の連絡用にはアプリ「Band」を活用。そのため、LINEなど個人のSNSアカウントのやりとりをすることなく、職員同士、園同士の連絡が取れるようになっています。
子育て中の職員が働きやすいよう、法人本部のサポートも万全。子どもの発熱などで急にお休みを取らなくてはならなくなった時にも法人本部から応援が駆けつけるバックアップ体制があるのも安心です。

ル・アンジェ、という言葉は、フランス語で「天使」という意味があります。
家庭に、そして社会に笑顔と愛を運ぶ天使のような存在になりたい…まだまだ小さくて若い会社ですが、子どもたち、子育て家庭、そして働く皆が笑顔になれる場を作り続けていく、そんな無限の可能性を秘めた企業であると感じます。

取材を終えて

ベビーシッター事業が礎になっている企業であることもあり、保育現場では一人ひとりに丁寧な声掛け、ケアの場面があり、安心して預けられる保育園、という印象が大きいのが特徴です。何よりも職員が生き生きと笑顔で働いていること!園長先生や法人本部が1つひとつの課題に誠実に向き合い、日々改善を積み重ねていることがうかがえる、そんな保育園でした。

この保育園の施設概要

施設名 南行徳保育園・南行徳小規模保育園
勤務地 千葉県市川市
最寄り駅 東京メトロ東西線 南行徳駅から徒歩1分

写真でわかる!保育園の様子